日時:令和2年1月22日(水)午後7時30分
場所:葛飾区歯科医師会館
演題:「シンプルな充填で行う自然感のある前歯部ダイレクトボンディング」
講師:台東区開業医 大谷一紀先生
【抄録】
現代のコンポジットレジン修復(以下、CR修復)には2つの役割があると考える。まずは、MI の概念に則ったカリオロジー的側面における役割があげられる。FDIが提唱するMIの概念の要旨は、①う蝕に対する再石灰化、②う蝕病原性細菌の管理・予防、③歯質保存的な接着修復の優先である。そのなかで、CR修復は③における不可逆的なう蝕に対する第一の処置であり、これによって?健全歯質の可及的な保存が可能であり、?歯髄への刺激を軽減できることなどから、結果として「歯の延命」が可能になると考えている。
次に、審美・機能性回復の役割がある。コンポジットレジンの性能が進化した現在では、CR修復であっても複数のシェードを積層し、明度をコントロールすることで高い審美性の回復を図ることが可能となっており、保険診療だけでなく自費診療で行うこともある。
本講演では、充填テクニックを中心に、自然感のあるダイレクトボンディングを成功させるための臨床術式および自費診療で行うダイレクトボンディングの入についてお話したい。
【略歴】
1997年 日本大学歯学部卒業
1997年 日本大学歯学部補綴学教室第Ⅲ講座
2012年 大谷歯科クリニック院長
歯学博士
日本補綴歯科学会専門医
日本顎咬合学会認定医
日本歯科理工学会会員